泥沼記

キング・オブ・コメディ(1984)

※ネタバレあり

 

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「ジョーカー」観賞後、見ようと思っていたら半年以上経ってしまった。光陰矢の如しですねぇ…。

 

メディスターを夢見るルパート・パプキンは自信過剰で妄想癖・虚言癖のある、絵に描いたような「痛い奴」。常に根拠のない自信に満ちあふれて空回りし続ける彼の痛々しい姿が大半に渡って描かれている。とはいえ彼は完全な狂人ではなくて、強引ではあるものの所々礼儀正しいのが何ともリアル。

 

そんなパプキンも最終的には暴走。憧れのコメディスターを誘拐しTV局を脅迫して強引にTVショーに出演することになるのだが、なんとこのショーが意外にもウケて形になっていて

「ドン底で終わるより一夜の王になりたい」

と語り満足気に舞台を後にする清々しい姿を見てしまうと、今までバカにしていた彼に対してほんの少し尊敬の念が生まれ始めるのが面白いところ。中々の傾奇者じゃねぇか…。

その後当然逮捕された彼だが、その知名度から獄中出版した本はベストセラーとなり出所後は本当にコメディスターになってしまう…というのが現実か妄想かは怪しいエンディングとなっているが、本を出版する殺人犯もいることだし、あながち有り得ない話ではないのが怖い。

彼を「行動力のあるただのキ◯ガイ」と見るか「炎上商法に大成功した変人」と見るかは貴方次第だ。

 

全く関係ないけど、パプキンと聞くと僕が最近YouTubeでよく見ているウサギの「Pipkin」が脳裏をよぎりつづけていた…。

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