泥沼記

DEATH STRANDING クリア後感想

ネタバレ注意。

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⚪︎ゲーム性について

「配送」という目新しいジャンルのゲーム性は好き嫌いが分かれるとは思うが、気がつくと数時間プレイしているような謎の中毒性があった。とはいえ「楽しい!」という突き抜けた面白さは薄い。ミュール相手にステルスプレイをしているときが一番楽しかったというのは複雑なところ。座礁地帯の緊張感は新鮮で良かった。

後半はスターマーク集めをするとなるとジップラインで飛び回るだけで作業感が強く、これなら親密度上昇をもっと手早くできるようにして手で運ぶような困難な配送依頼を増やしてくれた方が楽しかったかもしれない。ジップラインのせいで他プレイヤーの置いてくれた梯子・パイル、橋の有り難みも減ってしまったし。

ボス戦は大味で、ラスボスの鯨もどきも酷い。クリフ戦やヒッグス戦は中々楽しかった。難易度HARDだとごり押しできなくなってもっと楽しめるのかもしれない。この辺は2周目HARDで確認したいところ。

 

⚪︎ストーリーについて

面白いことは面白いが、クライマックスは人類全体の存亡をかける壮大で哲学的なテーマが、「ビーチ」という幻想的な場面で繰り広げられることで、感情移入がしにくかった。ビーチの現実味が薄いというか、地続きで他の場面と繋がっているようにはどうしても思えないのが原因だろうか。

セントラルノットへの復路でデッドマンを始めとする仲間たちが集結するのはファミリー的で熱い展開だったし、レイクノットに近づくにつれてこの世の終わり感が増していくのも良かったので、この感じを直球勝負で続けてほしかった。東部エリアとかクリプトビオシス配送の説明で「極限環境」を謳うならもっとヤバくてもよかったんじゃないだろうか。

 

⚪︎映画オマージュについて

やってることが往復するだけというマッドマックス的な感じは好み。ヒデチューでも絶賛してたし絶対意識してるだろう。小島作品ではお馴染み「2001年宇宙の旅」はルーデンスと共に宇宙を突き抜けるシーンにオマージュを感じたし、そもそも造語が飛び交う感じは「時計じかけのオレンジ」チックだし。やりたい放題映画オマージュを盛り込む感じ、嫌いじゃない。MGSと違って独自の世界観なので、幻想的なシーンが違和感なく盛り込まれているのは、小島作品としての新鮮さを感じる。

 

 

 

⚪︎総評

滅茶苦茶楽しい訳ではなくても、なぜか時間を忘れて長時間遊んでしまう小島作品の魅力はこのゲームでも受け継がれている。凝った設定の幻想的SFは唯一無二で、非常に楽しめる作品だった。

ノーマン・リーダスマッツ・ミケルセンなどの豪華キャストの姿を贅沢にもゲームとして楽しめるのも本作独自の魅力だったが、どうせなら着せ替えなどの、映画ではなくゲームならではの要素をもっと本格的に楽しみたかった。マッツ・ミケルセンとも相手の顔がよく見える一対一の勝負や接近戦をしたかった。

 

※追記

なんだかんだでトロコンしたので追記。

クリア時にスターマークは音楽家以外集め終えていたので、すぐにトロコンできるかと思いきや結構時間がかかった。特に自分は難易度ノーマルでクリアしたので、Legend of Legendsの評価を稼ぐのに時間がかかってしまった。

やり込みでもやはり時間を忘れて遊んでいたので、このゲームは人は選ぶがハマる人は「配送中毒」に至らしめる魔力を備えているのかもしれない。

英語音声で2週目HARDを遊ぶのが楽しみ。ゲラルトさんの山路ボイスも良かったが、やはりハンニバルを楽しんだ者としてはマッツ・ミケルセンのお洒落ボイスを聞かずには終われない。