泥沼記

バイオハザード7 Resident Evil

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体験版で3D酔いした覚えのあるゲーム。6をやってから遊ぼうと思っていたがリマスター盤が出る前にPS3版の6を買ってしまい、なかなかPS3を引っ張り出す気にもならず手付かずのまま、長らく時が過ぎていた。

 

今回の北米セールでRE2のついでに購入したがこちらの方を先にクリア。内容的に一気に遊んだ方が面白いだろうし、ホラー色が強いので積むと化石化するのが目に見えていたので…。

 

ホラーゲームの集大成のようなゲームとなっていて、イカれた大男から逃げ回って隠れるクロックタワー的な恐怖や、犇く虫達に襲われ、人から変異した異形と戦い、ジョーカー的なイカれ野郎から仕掛けられるSAWみたいな脱出ゲームに苦しむ…などなど古今東西(?)の様々なホラー要素がてんこ盛りだった。

今までアンブレラクロニクルズのようなガンシューティング作品はあったものの、FPS視点で遊べるのはシリーズ初で今作の目玉となる要素。こじんまりとした家屋内をFPS視点で探索するのはP.T.を彷彿とさせるもので、クリーチャーとドンパチするゲームとなっていたバイオハザードが一気にホラーに戻ってくれた。P.T.リスペクトのゲームを大手の開発力でしっかりと形にしてくれたのは嬉しい限り。

とはいえ、いくら目新しいホラー要素とはいってもずっとプレイしていると慣れてしまう。そこにバイオハザードお得意のドンパチ要素で誤魔化しが効いていて、ボス戦も楽しいものが多かった。ゲームとしての楽しさを蔑ろにしたホラー作品も多い中、ここら辺は流石老舗といったところ。

 

後半の展開はバイオハザードシリーズのお約束といった感じで、これだけ刷新されたのに結局バカでかいモゴモゴクリーチャーかよと少々ウンザリ。そのまま力技で締めたエンディングにも苦笑してしまう。

とはいえ、もはやお決まり展開すぎておバカ具合に逆に愛着が湧いてきたのも事実。どんな作風でもこういう感じに繋げられるのかもしれないと逆にこれからのバリエーションが見たくなるものだった。

 

様々なホラー要素が楽しめる反面、それぞれが中途半端に味見程度で終わってしまうのは残念なところだが、それでも大衆向けホラーゲームとしては丁度良いバランスなのかもしれない。

親父パートをもっと増やせばもっと怖くて進めにくくなっただろうし、変異マーガレットの造形ももっと虫っぽい顔にするなどで気持ち悪くできただろうが、それではホラーマニア向けのマゾゲーとなってしまいかねない。

楽しいゲーム性とテンポ、怖すぎて進められないほどではないが万人受けする怖さにまとまっていて、バイオハザードに求められているものは一見とっつきにくそうな今作でもキッチリ確保されていた。

とはいえ大半で相手にすることになるモールデッドのデザインだけは何とかならなかったのかと流石に残念。黒いモゴモゴの中に人の顔とかが紛れていればもう少し怖かったと思うのだが。主人公以前に20人も犠牲者がいたんだし雑魚クリーチャーにもその辺の設定を生かしてほしかった。

 

 

 

文句も少々あるが、7はシリーズの流れをしっかり軌道修正する良いテコ入れ作品だったように思う。思えばバイオハザードは常に変化を遂げてきた作品だ。舞台を洋館から全く趣の異なるラクーンシティへと移しザッピングシステムを導入した1から2への飛躍・アイディア力は今考えると凄いし、今のTPSの礎を築いた4のシステムは素晴らしい発明だと言える。

次のバイオハザードはどんな変化を見せてくれるのだろうか。もしかしたら4のときのように新たなゲーム性を生み出してくれるかもしれない。次回ナンバリングへの期待が高まる。