泥沼記

バイオハザードRE:3

とりあえず難易度Standardでクリアしたのでネタバレ無しの感想を。

 

◎今作は一言で表すなら『疾走感』

RE:2はTPSになったとはいえ、どのルートを通るか・どこで強力な武器を使うかといった決断にじっくりと頭を悩ませるオリジナル版のゲーム性を色濃く受け継いでいた。

対して、今作はネメシスに追われながらスピーディで直感的な判断を迫られる場面が多く、前作に比べて疾走感溢れるゲームになっている。加えて、ゾンビを殲滅してもネメシスに追われるときには再配置されるので常に緊迫した状況が続く。

そこで助けとなる新要素「回避」なのだが、タイミングは中々シビアで信頼して連発できるものではなく、プレイヤーはリスクのある回避に頼るか冷静に立ち向かうかの選択を迫られる。

また、探索があっさり目になった分ロケーションは豊富で、追跡者に追われながら目まぐるしく色んな場所を訪れるのも疾走感をプラスしていた。

その場の状況に応じて直感的な対処を続けるという緊張感は、4や5の醍醐味だった篭城戦の感覚にどこか似ているかもしれない。

あと地味にナイフでゾンビの確殺が取りにくくなったのも良い変更点だと思う。ゾンビの確殺は慣れてしまえば作業だったし。

 

グラフィックの進化によるクリーチャーの表現や演出もかなり良い感じ。ネメシスはムービーシーン・戦闘の両面で個性が発揮されていて良かったし、その他の演出も映画的で見応えがあった。

 

 

◎不満点

惜しむらくはボリューム不足だろうか。レジスタンスとの二本立てということである程度予想はしていたが、RE:3だけでははっきり言って物足りない。オリジナル版のことはうろ覚えだったが、それでも何となく色々端折られていることに気付き、「あ、これ短い奴だ…」と察するほど展開が早く、後で細かく比べると削られていたステージも多かった。折角の追跡者なので、もう少し色んな場所で追いかけられたかった…。

オリジナルにあった選択肢による分岐も無くなったため周回プレイも味気ない。3といえばマーセナリーズの発祥タイトルだったがそれも無い…。といった具合でクリア後のお楽しみも少ないので、RE:2のように追加要素があると嬉しいところ。この際有料でもいいから。

また、探索の順番に少し自由度があったRE:2とは違い殆ど一本道で進むのも気になるところ。これに関してはロケーションの多さゆえ仕方ないが、体験版から自由度の高い探索を勝手に期待していた分、ちょっと残念。

 

 

◎まとめ

RE:2とはゲーム性が変わって、疾走感溢れるゲームとなった今作。完成度は高いがボリューム不足なのは否めないので、レジスタンスを遊ぶつもりのない方は安くなるまで待った方がいいだろう。

PS4/XboxOneでは最後のシリーズ作品となるだろうし、以降のリメイクを作る気は今のところないらしいので、今作はバイオシリーズに一区切りを付ける作品とも言える。初代や4、7など過去作のセルフオマージュも各所に散りばめられていて、短いながらもこれまでの集大成といえるゲームになっていた。

 

ボリューム不足は、前作からの開発期間が短い上にレジスタンスと二本立てにしちゃったせいだろうか。年末にはPS5が出るし発売日は延ばせないという状況でちゃんと形にはなっているのだが、じっくり作ってオリジナル版を完全再現してほしかったなぁ。