泥沼記

Ghost of Tsushima 序盤の感想

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Sucker Punchのゲームを遊ぶのはインファマス2以来。インファマス2は結構楽しかったんだけど記憶に残るほど飛び抜けてはいなかった印象で、今作も正直言うとセールまでスルーしようとしていた。

力の入った宣伝を見せられ続けて「乗せられるものか」と変な意地を張っていたけど、やっぱり発売直前になると急激に欲しくなりますね…。どうせならと『七人の侍』や『用心棒』まで見て準備万端で発売を待っていた。我ながら見事に乗せられてる…。

 

BAD

  • 序盤のストーリーはちょっと大味な印象。急展開や回想シーンの連続であまり引き込まれなかった。
  • チュートリアルキャラが気の強いレジスタンス感溢れる女で凄く洋ゲーっぽい…。
  • 表情や非戦闘時のNPCのモーションには少しぎこちないところがあって、他の新作ゲームに比べると見劣りする。吹替と口の動きも揃えられていない。
  • 怒っているときなどの表情がちょっとだけ大袈裟で欧米人っぽくて気になる。よく言われることだし、意識してかなり抑えられているとは思うんだけど。余力があれば吹替の口の動きと併せてアップデートしてほしいなぁ…。

 

GOOD

  • 戦闘のバランスが良く、楽しい。難易度「普通」でも気をつけないと割と死ぬ。ゴリ押しが効きそうで効かない絶妙な難しさで、オープンワールドとして長く遊び続けても楽しめるちょうど良さ。
  • 拘り抜かれた戦闘モーションは凄くかっこいい。ガシャガシャと斬り伏せて血飛沫ドバドバな感じが楽しい。

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  • 表現規制はないので、首のない死体が転がっていたり槍に串刺しの生首があったりする。それでも戦闘中の欠損表現が殆どないのは、手抜きではなく「時代劇」感を損なわないためだろう。実は特定の技で敵の手首だけは切り飛ばすことができるんだけど、これは『用心棒』のオマージュに違いない。
  • 戦闘スキルは一本道のアクションゲームと比べても遜色無いほどバリエーション豊かで、最後まで飽きずに楽しめそう。

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  • 堂々と斬り込むか暗殺するかは勿論プレイヤーの自由だ。初めに敵を減らすことができる「一騎討ち」システムによって、堂々と斬り込む場合のデメリットが抑えられているのが面白い。多数の敵に真っ正面から挑んでおきながら戦いを優位に始められるのは、黒澤映画の三十郎のようで素敵。普通のゲームならロールプレイの放棄になるステルス無視のゴリ押しに「意味」を持たせているのは凄く画期的だ。

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  • タッチパッドで納刀や礼などができる。血を払ったり拭き取ったりしてから納刀するモーションが最高にイカしてる。これができることに気づいてから急激に楽しくなった。雰囲気、大事。

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  • 容量の少なさからボリューム不足を心配していたがワールドは中々広く、探索できる場所も多い。

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↑これだけかと思いきや…

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↑まだまだ北がある!

  • ワールド内はどこに行っても息を飲むほどの美しさ。四季を全て取り入れるという思い切った作りのお陰で様々な景観を楽しめる。これらの景観を活かした詠歌のミニゲームまで用意されている。しかも結構おもしろい。

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  • サブクエストが豊富。あっさりしたものもあれば、かなり凝ったものもある。琵琶法師が語る際の水墨画演出なんて海外スタジオが制作したとは信じられないほど。

 

 

総評

始めてすぐの頃は上に挙げたような細かい不満点から、肩透かしを食らった気がして「やっぱりSucker Punchだからあと一歩及ばないゲームだなぁ…」と思ってしまった。

でも、豊富なイベントを通して楽しい戦闘と素晴らしい景色に浸っているとじわじわと魅力が強まってくる。「ここ良いなぁ」と思える要素がどんどん増えていく。サカパン、早合点してごめん…。

遊べば遊ぶほど楽しくなっていくのはオープンワールドゲームとして理想的じゃないだろうか。ゲーム性の良さにはかなりグッときているので、これからのストーリーの盛り上がりにも期待している。

 

ちなみに洋ゲーあるあるだが、明るさ設定を下げるとドギツイ色味になるので、目安を無視して初期の明るさにしておいた方がグラフィックが綺麗に見えるかもしれない。もちろんモニターにもよるけど、ちょっと色が濃いなぁと感じる方はお試しあれ。