泥沼記

Ghost of Tsushima クリア後感想

じっくり遊んでいたGhost of Tsushimaもようやくクリアまで漕ぎつけた。

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ぶっ通しで遊んでしまうようなハマり込むタイプの面白さではなかったが、戦闘の楽しさやサブクエストの豊富さ、そして何より景色の綺麗さから遊べば遊ぶほどジワジワと魅力が増していくゲームだった。特に戦闘は期待を大きく上回る楽しさで、大ボリュームのオープンワールドを最後まで飽きずに遊び続けることができた。景色は多種多様でどこへ行っても息を飲むほどの美しさ。Sucker Punchが持つ和の絶景の引き出しの多さに感服してしまう。

反面メインストーリーでは少々強引な展開が目立ち、オープンワールド洋ゲーらしい大味なものだったのは残念なところ。熱い展開もあったんだけど、置いてけぼりを食らう場面も結構あった印象。

 

以下ネタバレあり。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

サブクエストは大ボリュームかつ多種多様なものがあり大満足。特に傳承クエストは琵琶法師の語りやボス戦などの演出が凄く凝っていた。あっさりしたサブクエストでも、後で助けた人との会話ミニイベントが用意されていることもあるのは細かい作り込み。

メインストーリーは前述の通り少し大味。ゆなと金田城に攻め入り橋から落とされるオープニングや、後半のたかと共に捕らえられるシーンなど雑な急展開がちらほらあった。また、特に残念なのは選択肢による分岐がエンディング直前の2択のみだったこと。ステルス要素は敵の挙動も含めて結構チープだし堂々と戦い続ける方が楽しいだけに、ストーリー分岐でロールプレイの幅を持たせてほしかった。

インファマス2でも善悪の分岐があったし、今作も当初は「誉れ」ルートも作るつもりだったんじゃないかと思ってしまう。(デジタルデラックス特典のコメンタリーでも「武士道精神」を全て描き切るつもりだったが、絞り込んだことが語られていた)

民や仲間の犠牲を払いながら誉れを守り抜くルートがあっても面白そうだったけど、コメンタリーにあるように「圧倒される=現代人では共感できない」ストーリーになることがポシャった理由なのかも。

 

 

 

まぁメインストーリーでの分岐が無かったのは仕方ないにしても、ウィッチャーのようなサブクエストの分岐は欲しかったところ。せっかく長期に渡って続く仲間達のサブクエストがあるのだから、分岐を設けて後半の内容がガラッと変化していたら面白かっただろうに。本来メインストーリーに組み込むべきものをサブクエストとして小分けにしただけ、という印象も強まっていた。

 

とはいえ、戦闘の楽しさと景色の素晴らしさはそれらを補って余りある魅力で、全体としては大満足。ストーリー周りの濃密さが加わっていれば最高だったんだけど、流石にリソースと時間的に厳しかったんだろう。

ちなみに2周目を始めると幼少期の志村との手合わせのときから既に、「民を守る」という仁の信念と志村の古い武士道が対立していることがわかって面白い。(1周目では記憶に残らなかった…)

古い武士道と民を守ろうとする新たな武士道の対立は現実の鎌倉武士達にもあったことがコメンタリーで語られているし、時代背景に則した良いテーマだったと思う。仁が民を守ろうと決心するような幼少期のエピソードなどがあればもっと良かったんだけど。

 

収集要素の為に旅人の装束で移動することが多かったし、周回プレイでは着せ替えを思う存分楽しみたいので早くニューゲーム+を追加してほしいなぁ…。