泥沼記

レジェンド 狂気の美学

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60年代のロンドンに君臨した実在の双子ギャングを描いた作品

トム・ハーディの魅力が溢れていました

飽きずに最後まで見ることができますが、後半は少ししっくりこなさがありました

とはいえトム・ハーディ好きなら見ておいて損はないです

以下ネタバレあり

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前半の出来は文句無し

冒頭のリムジンでタバコと葉巻をふかすシーンからかっこよさ全開

敵対ギャングの酒場に殴り込むシーンだけでも見る価値があったと言えます

 

トム・ハーディの双子の演じ分けは少し大げさに見えますが(特にロナルドの登場シーンはニヤニヤが止まりませんでした…)、

慣れてくると今にも人に殴りかかりそうな狂気を漂わすロナルドと、ジェームズ・ボンドのような危険な色男のレジナルドの演じ分けが癖になってきます

本当に2人の人物がその場にいるように、自然に思えてしまう絶妙な演技でした

 

トム・ハーディはどの作品でもクセのある、それでいて不自然にならない、おふざけにならないギリギリのラインを攻めて、非常に印象に残るキャラ付けをしますね。唯一無二の役者さんです

 

後半は限られた尺の中で事実に近づけるために仕方なかったのでしょうけど、なんとなくしっくりこないものがありました

 

最後にレジナルドがロナルドに言う

「お前の身代わりだ。お前は殺せないから」

というセリフ

 

ロナルドが社会と関わるにつれてある程度まともになってしまったことを嘆いているのでしょうか

全盛期のロナルドなら殺しを人に頼まないはずですし、兄が侮辱されているのを見たらキレて手を出していたはずです

 

そうであれば前半は異常なロナルドと、キレないかぎりまともなレジナルドとの軋轢を

後半は曲がりなりにも成長したロナルドと大人になりきれず怒りをコントロールできないレジナルドとの擦れ違いを描こうとしていたのかもしれませんね

レジナルドのキレたら手をつけられない性格はロナルドの面倒を見続けて鬱屈した感情からきている…とか考えてみる

 

時間を十分に割いてもう少し兄弟関係を深く描いた場面があればなぁという感じで惜しい作品